苛烈なやつら
「何で爆破すっかなー」
「散らしてこそ花というものだ」
「そこは賛同するんだけどサー、キミの場合散らし方の問題でしょー?」
そのやり取りを聞いて、各々またかという顔を禁じえない。
本人たちの前でそのような顔をしようものなら即刻とんでもないことになるのは請け合いである。
だがあの言い合いをしている最中の二人の目に、もはや周りというものは見えていない。
「火はいい。卿もこの良さを知るべきだとは思わんかね」
「キミはもうちょっと風情を求めたほうがイイと思うね」
「ほぅ?」
「火ぃ使うんならもっと色々あるじゃん?」
「苛烈だろう?」
「ハァ?アタシは風情を求めろと言ったんですけどー。頭なんか沸いてんですか?」
段々と険悪になっていく雰囲気に周りの兵士たちはそそくさと退散し始める。
もとより気の合うようで合わないような、しかし確実に同族である二人――松永久秀とは己のこととなると周りのことなどどうでもよくなるのだ。
現に、互いが得物を抜き放っている。
「何が気に食わないというのだね」
「なんていうか、全て?」
「卿こそが苛烈の塊だと、そうは思わんかね」
「それ、自分自身でしょ?」
火花が散る。
剣戟が唸る。
そして三好の一人が今日も呟く。
「……今日も屋敷が直らんな」と。
直後、屋敷が爆発した。
結局は直るどころの話ではない。
+++あとがき+++
ちょっと松永さんにやられちゃって夢を書きたかったのにあれこれ夢じゃない?
ただの小ネタ。。。orz
もっとかっこいいおっさんを書いてみたい。
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2008.05.18