夢話-夢小説の間-





切ない人選手権

〜序章〜





「佐助ーーー!!」
「ん?ちゃん、どったの?」
「幸村さんに人生相談されたーっ!」
「はあ?」
「『殿と親睦を深めたいのだがどうにも、その、うまくしゃべれなくて』とか!」
「旦那だしねぇ」
のこと好きっぽいの。わたしどーしよ…」

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「……って好きな子から相談されるってどう思う?」
「とりあえず眼中にないってことでしょ?」
「切ない!俺様切ない!!でもあの顔見たらどんなことだって相談受けちゃう俺様えらい」
「佐助キモい」
ちゃんひどいっ!」
「はいはい。佐助はのいい人止まりってこたあ分かったから、用件言いなさい」
「ううっ俺様本気なのに…」

 佐助→→幸村→あたし?
 誰が一番切ないって……どう考えてもあたしだろ。
 だってあたし佐助が好きなんだもん。
 これであたしが幸村に相談したら酷だろうよ。

「ねぇちゃん、俺様の話聞いてる?」
「聞いてない聞いてない」
「そこは嘘でも聞いてると言って!?」

 誰が好き好んで惚れた男ののろけ話を聞くか。

「で?」
「はぁ……旦那は何がいいんだか。
 ちゃん好みの男ってどんなやつ?」

 ……やっぱりあたしが一番切ないよ!?
 何が悲しくて好きな男に好きなタイプ教えなきゃならんの!?

「あたしが幸村なんとも思ってないからって露骨すぎだよ、それ」
「いや、旦那とちゃんがくっついたら俺様に都合がいい」

 真顔で言うな。

「主想いの忍さんですこと」
「で、好みは?」
「ない。そのとき好きになった人が好き」
「好きになる傾向とかなんでもいいからさ」
「傾向ねぇ……」

 これは告白しろってフラグ?
 うん、ごめん、実はあたしチキンです。そういうの、無理なんです。
 仕方なくあたしは今までときめいた二次元生物を頭に思い浮かべる。
 ツンデレとかキザとか天然とかへたれとか無口とか……いや喋る人も好きなのいたな。ああでも、苦労人が多い。目の前の人物含め。

「……まともで不器用な人かな」

 やっぱり常識人が苦労するのが世の中の常。

「旦那でいいじゃん。まともだし、旦那不器用よ。自分で髪とかくくれないし」
「んー……お館様と叫びながら殴り愛をする姿をまともと言っていいものか。いやよくない。それに、残念ながらあたしはの味方なので」

 ついでに自分の味方なので。
 あの子と幸村がくっつけば、ね?
 さっさと仕事に行けと追い出すとやれやれと立ち上がる。
 やる気なげに去っていく佐助を見守る。

「……いってらーっしゃい……」

 耳のいい佐助には、多分聞こえてると思う。
 はぁ、切ない人選手権第一位だね、確実に。
 不名誉だわ。
 誰かこの状況打開してくれる人いないものか。
 ……………伊達?いや、余計ややこしくなるからもういいや。




 その頃、北の地でくしゃみをしている独眼流がいたなんて、あたしの知るところではない。







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2008.02.16