夢話-夢小説の間-





切ない人選手権

〜ときめけ男子!猿飛佐助編〜




 あー、まったく清々しい朝だねぇ。
 俺様徹夜明けだってのに憎いお日様だよ。毛利の旦那に八つ当たりしたくなるね。
 本当はもっと早く帰ってきてちゃんの寝顔でも拝もうと思ってたのに。……なぁんて、言っても仕方ないか。

「ん?」

 あれ?あの庭にいるのって……ちゃん?
 俺様は思わず立ち止まってしまった。
 朝日の中で舞うような仕草――多分あれは何かの武道だと思う。見たことないし。
 次々に型を取る彼女に、見惚れた。
 嘘じゃない。本気だ。

 美しい。

 と、素直に思った。
 我に帰ったのはちゃんがこっちを向いたから。気をとられるなんて忍失格だ。

「佐助?」
「おはよ、ちゃん。ただいま」
「おかえり」

 あれ?朝の挨拶くらいしっかりしろと言ってたのはどこのだれだったっけか。珍しいこともあるもんだ。
 思ったのでそのまま言ってみる。

「佐助、任務明けで寝てないでしょ?だからおはようはなし。ちゃんと寝て起きたら言ってあげるよ。だからさっさと寝な」

 ちょっと驚いたね。徹夜しても顔色変わらないんだけど気付かれた。

「よく分かったねぇ」
「ああ、なんだやっぱり」

 と、言いますと?

「朝にただいまって言うからには任務だったんでしょ?」
「カマかけた?」
「珍しく引っ掛かったね。大変な任務だったみたいでお疲れ様」

 ニヤッと笑われる。
 ちゃん鋭すぎ。俺様心の中でも読まれてるんじゃないの?
 とりあえずそいつはどーも、と返すしかないだろ、ここは。

ちゃんは?」
「鍛練場にいるよ」

 ああ、旦那か。
 お礼を言って歩き出そうとして、そのまま振り返る。

ちゃんは何でここに?」

 てっきりちゃんと一緒かと思ったんだけど。
 なんでか、ふふっ、とちゃんは笑った。

「自主練、かな?体動かしたかっただ〜け」

 どきんと心臓が高鳴る。
 何で俺様が、ちゃんに。
 ……何故か凄く嬉しそうに言うし、運動後の上気した頬が普段と違って表情豊かに見えたせいだ。
 俺様ちゃん一筋だし。
 でも、ちょーっと旦那がちゃんのこと可愛らしいって言う気持ち、分かったかも。
 こんな可愛い笑顔もするんだ。
 ……って、どうした俺様。
 鼓動が静まらない俺様の心臓を誰かなんとかしてほしい。

「一緒に行かない?」

 誤魔化すように誘いをかけた。

「あんたは布団に行きなさい、布団に」

 呆れたため息一つ。
 実際結構しんどい。よく分かるなぁ。俺様本当に心読まれてるんじゃないの?
 今日はあの笑顔に免じて布団に直行しますかね。



(カマなんてかけなくても佐助の体調くらい分かるし、考えてることも結構分かるさ。
 だけど素直にそれ言ったら面倒くさくなりそうじゃない。……意識しすぎかな)







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2008.02.23